夢を追う男はよく見えるけど、実は

夢を持って追いかけてるのはいい事なんだけど

つくづく思うのですが、もし仕事を選べるのであれば、やりたくない仕事よりやりたい仕事をしたほうがいいに決まっています。 そして、子供の頃からあこがれていた職業に就いて、お金を稼ぐことができ、なおかつ社会貢献もできるのであれば、これほどいいことはありません。 夢のない人より、夢のある人のほうが輝いて見えます。 親のため家族のため、自分のやりたいことを我慢して、安定した仕事に就く。 それしか選択肢がない人も沢山います。 そんななかで、「夢を追いかけられる状況にある」というのはまず、すばらしいことです。 ただ、どうかなあ…と思うときもあるのです。 私の知り合いの知り合いに、十年以上浪人して、三十歳で東京大学に合格した男性がいます。 遅いにしろ、合格したことは立派だと思います。 しかし、その人はその後も、夢追い人でい続けたのですね。 卒業後、今度は作家を志し、アルバイトをしながら小説を書き始めました。 五十歳を過ぎても、いまだ芽が出ていないそうです。 私も浪人経験があるのでわかりますが、浪人して不安定な状態にあるというのはとても辛いことです。 そのなかで十年以上もあきらめずに戦い続けた彼はすごいです。 でも本当は、大学というのは社会に羽ばたくための入り口にすぎないはずです。 それだけの時間と労力を費やして、得るほどのものなのか… 私の個人的な意見ですが、自分の学力相応の学校に入って、社会に入ってから自分の得意分野で巻き返しをかけた方が、無理がないように思えるのです。 なまじ、努力し続ければ東大に受かる、という栄光の味を知ってしまったせいで、夢を諦められないのかもしれません。 努力し続けさえすれば作家になれる、そう信じてがんばっているのではないでしょうか。 しかし、東大合格に必要な学力は地道な反復練習を 続けさえすればやがては身についてくるものです。 作家としての能力というのは、文章作成能力の他に、センスやアイデア、時代の潮流を読む視点の鋭さなどが要求され、それらは反復練習で身につくようなものではないのです。